LINEで答えるストレスチェックと9言語対応

ナナトリ編集部が、ナナトリを運営する株式会社SECRET MEDICINE 代表取締役 吉村 貴成の知見をもとに作成しました。関連会社(株式会社3SMILE・介護と看護の事業所)で採用と定着に向き合ってきた経営者の立場からの記事です。制度の記述は厚生労働省などの一次資料で確かめています(確認日 2026-09-25)。
ストレスチェックを紙でやると、配って、集めて、封を確かめて、入力して、と担当者1人に手間が集まります。外国人スタッフがいれば、言葉の問題も重なります。ナナトリは、社員がいつも使っているLINEで答える形にしました。専用のアプリは入れません。仕組みと、多言語の職場で気をつける点を並べます。
LINEで答えるストレスチェックとは、会社の公式アカウントではなく、サービス側の公式LINEアカウントを社員が友だちに追加し、そこに届く質問にスマホで答える方式です。ナナトリの場合、社員は友だち追加のあと、会社から配られた6桁の企業コードを送るだけで登録が終わります。国の57問(職業性ストレス簡易調査票)の結果は本人のLINEに届き、同じ内容を実施者が確認します。
社員がすることは3つだけ
- 公式LINEを友だちに追加する。会社から配られたQRコードかリンクから。
- 6桁の企業コードを送る。ここで所属の会社に登録されます。言葉もこのときに選びます。
- 届いた質問に答える。年1回の全問は約15分で途中保存ができ、3か月ごとの短い回は5分ほどです。
結果はLINEの中で本人に届きます。紙の封筒を配る必要も、回収箱を置く必要もありません。

紙で配る場合と、何が変わるか
| 場面 | 紙の調査票 | LINEで回答 |
|---|---|---|
| 配布と回収 | 担当者が配り、封をして集める | 公式LINEから届き、そのまま送信 |
| 入力と集計 | 実施者側で入力、または読み取り | 回答と同時に集計 |
| 結果の通知 | 封書で本人に渡す | 本人のLINEに届く |
| 社内の人が回答に触れる場面 | 回収・受け渡しで生じうる | 生じにくい |
厚生労働省のマニュアルは、面接指導の対象者だけに職場で封書を配ると、対象者だと周りに推測されるおそれがあると注意しています。本人のスマホに直接届く形は、この点でも扱いやすくなります。
9つの言葉から、本人が選ぶ
回答する言葉は、日本語・中文(简体)・ベトナム語・韓国語・タガログ語・ネパール語・インドネシア語・ポルトガル語・英語の9つです。日本語以外を選ぶと、設問・選択肢・見出し・ボタンがその言葉で出て、日本語も小さく添えられます。担当者と画面を見ながら話すときに、同じ設問を指させるようにするためです。
国の57問は、日本語の原票と、厚生労働省が公開している7言語の外国語版(中国語・ベトナム語・タガログ語・ネパール語・インドネシア語・ポルトガル語・英語)、韓国語は当社訳です。厚生労働省のページに韓国語の版が見当たらないため、当社が翻訳しました。57問以外の任意のアンケートは当社の翻訳で、ネイティブの確認を順に進めています。
外国人スタッフの多い職場で、先に決めること
介護や製造の現場では、国籍の違うスタッフが同じ部署で働いていることも珍しくありません。導入の前に、次の3点を決めておくと回答が集まりやすくなります。
- 説明を誰が、何語でするか。「個人の結果は会社に渡らない」「受けなくても不利益はない」は、本人の言葉で伝えます。
- 面接指導を申し出たときの通訳。医師との面談で言葉の支えが要るかを、実施者と相談しておきます。
- LINEを使っていない人の分。紙や別の方法を実施者と決めます。
個人の結果は、誰が見るのか
LINEで答えると聞くと、「会社にやり取りが見えるのでは」と心配する社員もいます。ナナトリでは、社員と公式アカウントのやり取りが会社のLINEに流れることはありません。57問の個人の結果は本人と実施者だけが見ます。会社の管理者が見られるのは、本人が結果を見たあとに共有を選んだ回と、面接指導を申し出た回の判定だけで、部署長には見えません。
実施者の立て方は産業医がいない会社の記事、2028年の義務化に向けた全体の流れは準備の順番、健康づくりの取り組みとしての使い方は健康経営の記事、外国人スタッフの定着に使える助成金は外国人労働者の助成金の記事にまとめています。画面の実物は導入事例でも見られます。
出典(確認日 2026-09-25)
- 厚生労働省「外国語版の職業性ストレス簡易調査票等」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/index_00022.html
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(自社で実施する場合の留意点・面接指導の申出勧奨) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001678866.pdf
よくある質問
社員全員がLINEを使っていなくても導入できますか?
LINEが使えない社員がいる場合は、その人の分だけ別の方法を用意する必要があります。紙や別の端末で答えてもらう形を実施者と相談して決めてください。ナナトリは専用アプリは不要ですが、LINEは必要です。
会社の管理者に、社員のLINEのやり取りが見えますか?
見えません。社員がナナトリの公式アカウントと話した内容が、会社のLINEに流れることはありません。57問の個人の結果は本人と実施者だけが見て、会社が見られるのは本人が共有を選んだ回と、面接指導を申し出た回の判定だけです。
韓国語の57問は公式の翻訳ですか?
公式ではありません。厚生労働省のページに韓国語版が無いため、当社で訳しました。法定の実施で韓国語版を使うかどうかは、実施者と相談して決めてください。ほかの7言語は厚生労働省の公開版です。
年1回の全問は、途中でやめても大丈夫ですか?
途中で保存して、あとから続きを答えられます。全問は約15分かかるので、休憩時間に分けて答える人もいます。3か月ごとの短い回はスマホで5分ほどです。
日本語が得意でないスタッフに、説明はどうすればいいですか?
厚生労働省の外国語版の調査票はPDFで公開されているので、事前に本人の言葉で内容を見てもらう方法があります。説明会では、個人の結果は会社に渡らないこと、受けないことで不利益にならないことを、本人の言葉で伝えるのがいちばん伝わります。
この記事のまとめ
- 社員は公式LINEを友だち追加し、6桁の企業コードを送るだけ。専用アプリは不要(LINEは必要)。
- 言葉は9つから本人が選ぶ。57問は日本語の原票と厚生労働省の7言語の外国語版、韓国語は当社訳。任意アンケートも当社訳。
- 紙の配布と回収・入力がなくなり、個人の結果に社内の人が触れる場面を減らせる。LINEが使えない人の分は別の方法を実施者と決める。


