ストレスチェック外部委託|小規模企業の選び方

ナナトリ編集部が、ナナトリを運営する株式会社SECRET MEDICINE 代表取締役 吉村 貴成の知見をもとに作成しました。関連会社(株式会社3SMILE・介護と看護の事業所)で採用と定着に向き合ってきた経営者の立場からの記事です。制度の記述は厚生労働省などの一次資料で確かめています(確認日 2026-10-26)。
ナナトリ担当の初瀬川 凌大(はり師・きゅう師/あん摩マッサージ指圧師)が、生活習慣とストレスの視点から内容を確認しています。
年1回の受検機能だけを探している会社には、職場アンケートと会議用のまとめを含むナナトリは向きません。ストレスチェックの外部委託は、頼む業務の範囲、個人の結果の扱い、初期費用を含む年額で比べます。この記事では、委託先を比べる7つの項目と、見積もりで聞く質問を並べました。ナナトリの欄は実際の料金と作りで埋めています。ほかの委託先の欄は、御社が取った見積もりで埋めてください。
ストレスチェックの外部委託とは、質問票の配布と回収、結果の判定と本人への通知、集団分析、実施者の業務、医師の面接指導の手配などの一部または全部を、会社の外の機関やサービスに頼むことです。厚生労働省の小規模事業場マニュアルは、外部に頼むときに、実施者と実施事務の体制、システムの提供、データの保管などが料金に含まれるかを確かめるよう示しています。委託しても、実施の義務を負うのは会社です。
1. まず、年1回の受検だけで足りるかを分ける
最初に、自社が委託先に求めるものを2つに分けます。
- 年1回の受検だけでよい会社。国の57問を年1回答えてもらい、結果を本人に返し、法令の手続きを済ませたい会社です。受検だけを頼める委託先を、単価と含まれる範囲で比べれば足ります。
- 職場の様子も見たい会社。入社・退職の数字や、部署ごとの職場の答えを会議で使いたい会社です。年1回の受検に加えて、定期のアンケートや会議の資料まで含むサービスを比べます。
ナナトリは後者のためのサービスです。前者の会社に月額を勧めることはしません。

2. 委託先を比べる7つの項目
比べる項目を先に固定してから、見積もりを並べます。項目がそろっていないと、安く見える方が「含まれていないものが多い」だけ、ということが起きます。
| 項目 | ナナトリの場合(2026年10月時点・税別) | ほかの委託先で聞くこと |
|---|---|---|
| 実施者 | 会社の産業医・公認心理師にアカウントを渡す(追加料金なし)か、当社提携の公認心理師・産業医(別オプション) | 実施者を委託先が受け持つか、料金に入っているか |
| 医師の面接指導 | 月額に含まない(地域産業保健センターの案内あり) | 含むか、1回いくらか |
| 配信と回収 | 社員のLINEに届く・催促2回まで・途中保存あり | 紙かWebか、催促は何回か |
| 任意の職場アンケート | 体調・職場・関わり方・ハラスメント・家族ケア。3か月ごとの短い回あり | 57問以外の問いがあるか |
| 会議の資料 | 入社・退職の記録と合わせた「会議用のまとめ」 | 集団分析の結果の出し方 |
| 年額 | 50人以下:初期費用100,000円+月額12,000円。30人なら1年目244,000円、2年目から144,000円 | 初期費用と、2年目からの金額 |
| 見える範囲(国の57問) | 個人の結果は本人と実施者だけ。会社に出るのは、本人が共有を選んだ回と面接指導を申し出た回の判定だけ | 会社の担当者の画面に何が出るか |
| 見える範囲(任意の職場アンケート) | 記名。会社の管理者が社員ごとに見られる(部署長は自部署だけ) | 57問以外の答えを、会社のだれが見られるか |
表のほかの委託先の欄が空いているときは、「なし」と決めつけず、見積もりで聞く質問にしてください。

3. 実施者と面接指導の依頼先を確かめる
委託先を選ぶときにいちばん差が出るのが、実施者と医師の面接指導です。実施者になれるのは、医師・保健師と、研修を修了した看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理師です。社員の解雇・昇進・異動について直接の権限を持つ人は、実施者になれません。委託先が実施者を受け持つのか、会社の産業医などに頼むのかで、料金も、個人の結果を見る人も変わります。
高ストレスの人が申し出たときの医師の面接指導は、会社が行い、費用も会社が負担します。50人未満の事業場は、地域産業保健センターで無料で受けられる制度があります。委託先が面接指導を別料金で用意している場合も、地域産業保健センターを案内してくれるかを確かめます。

4. 初期費用・年額・別費用を並べる
月額や1人あたりの単価ではなく、1年目と2年目の総額で並べます。初期費用がある委託先は1年目が高く、2年目から下がります。ナナトリは50人以下で、1年目が初期費用100,000円と月額12,000円×12か月、2年目からは月額だけです(税別)。人数は公式LINEで登録した社員の数で、会社単位で数えます。法令の「50人未満の事業場」の数え方とは別です。
別費用になりやすいのは、当社提携の専門職、カウンセリング、医師の面接指導です。費用の内訳はストレスチェックの費用の記事に表でまとめています。

5. 社員に見せる説明と、会社の画面を確かめる
契約の前に、社員に配る案内に何を書けるか、会社の担当者の画面に何が出るかを、委託先の画面で確かめます。「会社に結果を見られるのでは」という不安は、受ける人の数に直接かかわります。関連会社の株式会社3SMILE(介護・看護の事業所・別法人)では、国の57問の確定49件のうち、本人の同意で結果を会社と共有したのは2件でした(2026年10月26日時点)。会社は、57問の個人の結果を頼りに声をかける段取りは組めない、と考えておきます。
委託しても、会社が受け持つことは残ります。面接指導の申し出を受けること、集団の結果を見て職場を見直すこと、答えていない人に声をかけることです。始める前に社内で決めることは50人未満のストレスチェックの記事にまとめています。
出典(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(外部機関に確認すること・料金体系) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001678866.pdf
- 厚生労働省「ストレスチェック制度について」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html
- ナナトリ本番の集計(株式会社3SMILE・会社全体・2026年10月26日に読み出し)

よくある質問
ストレスチェックの外部委託の費用相場は、いくらですか?
頼む範囲が委託先ごとに違うため、1人あたりの単価だけでは比べられません。実施料金・集団分析・実施者・医師の面接指導・相談の5つが含まれるかをそろえ、初期費用を含む年額で比べます。
実施者も委託先に頼めますか?
頼める委託先もあります。契約の範囲を見積もりで確かめてください。ナナトリでは、会社の産業医・公認心理師にアカウントを渡す(アカウント発行の追加料金なし)か、当社提携の公認心理師・産業医(別オプション・別見積もり)から選べます。
医師の面接指導は、月額に入っていますか?
ナナトリの月額には入っていません。面接は会社が手配し、費用も会社の負担です。常時50人未満の事業場は、地域産業保健センターの無料の支援を使える場合があるので、条件と予約のしかたを窓口で確かめてください。
委託すると、会社は個人の答えを見られますか?
国の57問の個人の結果は、本人の同意がなければ会社に渡りません。ナナトリでは、57問とは別の任意の職場アンケートの答えは、会社の管理者が社員ごとに見られます。くわしくは、結果の見える範囲の記事にまとめています。
ナナトリが向かないのは、どんな会社ですか?
年1回の受検機能だけを求め、職場アンケートや会議用のまとめを使わない会社です。その場合は、受検だけを頼める単価の安い委託先の方が合います。
この記事のまとめ
- ストレスチェックの外部委託は、頼む業務の範囲・個人の結果の扱い・初期費用を含む年額の3つで比べる。1人あたりの単価だけでは比べられない。
- 比べる7項目は、実施者・医師の面接指導・配信と回収・任意の職場アンケート・会議の資料・年額・個人の結果の見える範囲。空欄は「なし」ではなく、見積もりで聞く質問にする。
- 年1回の受検だけで足りる会社には、ナナトリは向かない。委託しても、面接指導の実施や職場の見直しは会社が受け持つ。


