ストレスチェック

ストレスチェックの対象者 パート・休職者は?

公開 2026.09.25更新 2026.09.25読了 約7分
社員名簿に契約期間と週の労働時間を書き込み、対象者を確かめる総務担当者の手元
数える人と、受ける人は違う。
Editor

ナナトリ編集部が、ナナトリを運営する株式会社SECRET MEDICINE 代表取締役 吉村 貴成の知見をもとに作成しました。関連会社(株式会社3SMILE・介護と看護の事業所)で採用と定着に向き合ってきた経営者の立場からの記事です。制度の記述は厚生労働省などの一次資料で確かめています(確認日 2026-09-25)。

2028年4月の義務化に向けて名簿を作り始めると、最初に止まるのが「このパートさんは入るのか」という問いです。答えを複雑にしているのは、「事業場の人数を数えるときの基準」と「ストレスチェックを受けてもらう人の基準」が別だということ。2つを分けて考えると、迷う場面はかなり減ります。

ストレスチェックの対象者とは、会社がストレスチェックを実施しなければならない労働者のことです。厚生労働省のマニュアルでは、①期間の定めのない契約で働く人(有期でも契約期間が1年以上、更新で1年以上働くことが予定されている、または1年以上続けて働いている人を含む)で、②1週間の労働時間が同じ事業場で同じ種類の仕事をする通常の労働者の4分の3以上である人、の両方を満たす人とされています。

数える人と、受ける人は違う

名簿何のため基準
50人を数える名簿50人以上か(報告の要否など)常態として働いているか。週1回のパートやアルバイトも、継続して雇っていれば数える
受けてもらう人の名簿案内を送る相手契約期間(無期・1年以上の予定・既に1年以上継続)と週の労働時間(通常の4分の3以上)

2028年4月からは、50人未満の事業場も実施が必要になります。そのため「数える名簿」は、主に労働基準監督署への報告が要るかどうかの判断に使います。事業場を場所ごとに分けて数えることは、義務化と準備の順番で書きました。

事業場の人数を数える名簿と、受けてもらう人の名簿を並べた2枚のリスト
「50人を数える名簿」と「受けてもらう人の名簿」を分けると、報告の要否と案内の漏れを両方防げます。

雇用の形ごとの扱い

雇用の形受けてもらう人か補足
正社員(無期)対象—
パート・アルバイト(週の時間が4分の3以上・1年以上の見込み)対象呼び方ではなく契約の中身で判断
パート・アルバイト(雇用期間の条件を満たし、4分の3未満・2分の1以上)法定の対象外実施することが望まれる
契約期間が1年未満で更新予定もない人法定の対象外会社が含めて実施することはできる
派遣社員派遣元が実施派遣先も集団分析のために実施が望まれる

介護・飲食・小売のように短時間勤務の人が多い職場では、法定の対象外でも、同じ職場で働く人に受けてもらうことで集団ごとの分析の精度が上がります。含めるかどうかは、実施者と費用を相談して決めてください。

休職中の人、受けたくない人

実施する時期に休職している人については、厚生労働省の実施マニュアルに「実施しなくても差し支えありません」とあります。育児休業や療養中の人に無理に案内を送る必要はなく、復職したあと次の実施時期が来たら、その時点で対象かどうかを判断します。

社員には受ける義務がありません。会社は受けるよう呼びかけることはできますが、厚生労働省のQ&Aは、就業規則で受検を義務付けて受けない人を懲戒処分にするような強要をしてはいけない、としています。受けないことや結果を理由にした不利益な取扱いも禁止です。案内の文面には、この2つをはっきり書いておきます。

名簿づくりの手順

  1. 拠点ごとに、在籍している人を全員書き出す(数える名簿)。
  2. 一人ずつ、契約期間と週の所定労働時間を書き足す。
  3. 対象・対象外(2分の1以上)・対象外に分ける(受けてもらう人の名簿)。
  4. 休職中の人、派遣社員に印をつける。
  5. 案内を送る範囲を社内のルールとして決め、実施者に渡す。

ナナトリでは、会社の管理者が社員の登録情報(名前・生年月日・部署)を管理し、社員は公式LINEで登録します。人数の数え方は公式LINEで登録した社員の数で、法令の事業場の区分とは別です。実施者の立て方は産業医がいない会社の記事、面接指導の流れは面接指導の記事にあります。

出典(確認日 2026-09-25)

よくある質問

週3日勤務のパートさんは対象ですか?

契約期間と週の労働時間の2つで決まります。無期契約・1年以上の雇用予定・既に1年以上の継続雇用のいずれかに当たり、週の労働時間が同じ仕事をする正社員の4分の3以上なら対象です。同じ雇用期間の条件を満たし、4分の3に届かなくてもおおむね2分の1以上なら実施することが望まれる、と厚生労働省のマニュアルは書いています。

育児休業中の社員にも案内を送るべきですか?

実施する時期に休職している人については、実施しなくても差し支えないとされています。送るかどうかは社内のルールで決め、復職したあとに次の実施時期が来たら、その時点で対象かどうかを判断します。

派遣社員は、どちらの会社が実施しますか?

実施の義務は、派遣社員と雇用契約を結んでいる派遣元にあります。派遣先は、職場の集団ごとの分析のために派遣社員にも実施することが望まれます。派遣元と派遣先で、どちらが何をするかを事前に確かめてください。

受けたくないと言う社員には、どう対応しますか?

社員に受ける義務はないので、受けないことを選べます。会社は受けるよう呼びかけることはできますが、就業規則で義務付けて受けない人を処分するような強要はできません。受けないことを理由にした不利益な取扱いも禁止です。

海外で働いている社員はどうなりますか?

海外の現地法人に雇われている人には日本の法律が適用されないため、実施の義務はありません。一方、日本の会社から現地に長期出張している社員には、一般の健康診断と同じく実施が必要です。判断に迷う形は、実施者や所轄の労働基準監督署に確かめてください。

この記事のまとめ

  1. 受けてもらう人は「無期・1年以上の雇用予定・既に1年以上継続のいずれか」かつ「週の労働時間が通常の4分の3以上」。同じ雇用期間の条件で、4分の3未満でもおおむね2分の1以上なら実施が望ましい。
  2. 50人の数え方は別基準。週1回のパートも常態として働いていれば数に入る。名簿は2本に分ける。
  3. 休職中の人は実施しなくても差し支えない。社員に受検の義務はなく、受けないことを理由にした不利益な扱いは禁止。
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